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オフィシャルブログ

日別アーカイブ: 2025年6月19日

第13回就労支援雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社RELIFE、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~必要な支援を受けるために~

 

就労支援事業は、ただ「職を紹介する」だけの取り組みではありません。利用者一人ひとりの状況や背景に応じて、“働くまでの道のり”と“働き続ける力”を支える総合的な支援が求められます。ここでは、支援に必要な本質的な要素を体系的に解説します。


1. 利用者理解と信頼関係の構築

● 必要な理由

  • 支援対象者の多くは、過去の失敗や孤独な経験を抱えており、「人を信じること」に慎重になっている

  • 表面的な面談や就労訓練だけでは本質的な変化に結びつかない

● 実践例

  • 毎朝の声かけや日誌の共有を通じた“心の見守り”

  • 成功体験の積み重ねで「できた!」の自信を育てる

  • 担当職員の継続性と温かさが“安心できる場”を生む


2. 柔軟な就労環境の整備

● 必要な理由

  • 一律の勤務形態や評価制度では、多様な事情を抱える利用者に合わない

  • スモールステップを用意することで、負担を減らし継続を可能にする

● 実践例

  • 「週1回2時間勤務からスタート」「昼食づくりだけを担当」など段階的な就労

  • 作業内容の選択肢を複数用意(軽作業、事務補助、屋外作業など)

  • 遅刻や中断があっても「責めない」雰囲気


3. 生活支援との連携

● 必要な理由

  • 生活の不安(住まい・金銭・健康)があると、仕事への集中が難しくなる

  • 就労支援と生活支援を分断すると「働けても暮らせない」状況が続く

● 実践例

  • 自治体・社協・保健師・医療機関との連携体制を整える

  • 「食事支援」や「通院同行」など非就労領域のサポートも視野に

  • 生活保護や住宅確保給付金などの制度活用支援


4. 定着支援とアフターケア

● 必要な理由

  • 就職できても、最初の3ヶ月〜半年で辞めてしまうケースが多い

  • 小さなストレスが積み重なる前に介入することが重要

● 実践例

  • 就職後の定期面談(月1回〜2回)とメール・電話フォロー

  • 企業との連携(職場定着支援員の配置や相談窓口の設置)

  • 利用者が困った時に「戻れる居場所」を確保


5. スタッフの専門性とチーム力

● 必要な理由

  • 支援者自身が「支援の対象」を深く理解し、柔軟に対応する力が不可欠

  • 一人のスタッフがすべてを抱えるのではなく、多職種連携が成果を高める

● 実践例

  • キャリアコンサルタント、精神保健福祉士、社会福祉士などの資格者配置

  • 定期的な事例検討会やメンタルサポート体制

  • チーム内で「困りごとの共有」と「支援方針の統一」を行う


就労支援に必要なのは、「すぐに働かせる力」ではなく「一緒に歩む力」です。目の前の利用者が、心から「働きたい」と思えるまで、寄り添い、支え、導くことが私たちの役割です。

制度やマニュアルに頼るだけでは届かない“人の可能性”を信じる支援こそ、社会をより豊かにする第一歩です。

 

 

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