-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー

皆さんこんにちは!
株式会社RELIFE、更新担当の中西です。
さて今回は
~支援計画~
ということで、就労支援における支援計画の意義と作成の流れ、活用のコツを、実際の現場感覚に即して解説していきます♪
「働く」を成功させるための、個別最適な道しるべ
就労支援において、支援者の手元に欠かせないものそれが支援計画(個別支援計画)です。
一人ひとり異なる状況、能力、希望を持つ利用者に対して、
「どのような支援を、いつ、どのように提供すべきか?」を明確にし、
本人と支援者が共通の目標をもって就労を目指すための設計図とも言える存在です。
支援計画とは、就労支援サービスを利用する方に対して、
個別の課題・目標に応じてどのような支援を行うかを整理し、文章化した計画書のことです。
本人の目標達成(就職・定着)に向けた支援の道筋を示す
支援内容・頻度・方法を明確にして、支援の質を担保する
本人と支援者、または多職種との連携・協働のベースになる
計画的に支援を振り返り、進捗評価・再計画を行う指標になる
📌 単なる“形式的な書類”ではなく、「伴走型支援の地図」として機能させることが重要です。
支援計画の質は、「アセスメント→目標設定→計画策定→実施→見直し」という一連の流れの中で高まります。
面談・観察・作業評価・検査などから、本人の課題と強みを整理
生活面、対人関係、職業スキル、メンタル面の現状を把握
📌 支援は「本人理解」から始まる。アセスメントの質が支援計画の骨格を作ります。
長期目標(ゴール例):「一般企業への就職」「週5日勤務の定着」など
短期目標(ステップ例):「週3日の通所継続」「電話応対訓練の実施」
📌 短期目標は“小さな成功体験”として積み上げられる内容が理想的。数値化できる目標が望ましい。
生活支援(体調管理、金銭管理、起床・通所リズム)
職業スキル訓練(PC、軽作業、ビジネスマナー)
対人関係支援(SST、ロールプレイ)
職場体験・実習の計画
就職活動支援(履歴書、面接練習、求人検索)
📌 支援内容は「誰が」「いつ」「どのように」提供するのかを明確にします。
月1回、または3か月に1回などの頻度で進捗を確認
達成度に応じて、目標の変更・支援の再設計を行う
📌 「書いたら終わり」ではなく、「運用して更新する」ことが支援の質を高めるカギです。
計画は支援者の都合で作るものではなく、「本人の希望や目標に基づくこと」が大前提。
面談時に「目標が本人の言葉になっているか?」を確認。
小さな成功が積み上がることで、モチベーションや自己効力感が高まる。
難易度の高すぎる目標は逆効果に。
体調や状況によって計画通りにいかないことは当然。
見直し・更新を前提とした“開かれた計画”が理想。
項目 | 内容 |
---|---|
基本情報 | 氏名、利用開始日、支援期間など |
長期目標 | 就職先や働き方のイメージ |
短期目標 | 通所目標、スキル取得など |
アセスメント所見 | 本人の特性、課題、強みなどの記録 |
支援内容 | 訓練計画、支援者の対応方針 |
モニタリング記録 | 実施状況と見直しの記録欄 |
📌 就労移行支援、就労継続支援A型・B型、定着支援など、サービスごとにフォーマットは異なりますが、「目標と支援の一貫性」が重要なのは共通です。
本人との共有を徹底する
→ 計画書を“見せる・説明する・一緒に作る”ことで、納得と意欲につながる。
多職種連携の場で活用する
→ 支援会議やケース会議で計画書を共有し、チームで支援の一貫性を保つ。
「できた」を振り返り、成功体験を言語化する
→ 小さな達成を認め合い、次のステップへの自信につなげる。
就労支援における支援計画は、単なる事務的な文書ではありません。
それは、本人と支援者がともに「どんな働き方を目指すか?」を描き、実現に向かうための“共通の地図”です。
✔ 利用者にとっては「希望を形にする設計図」
✔ 支援者にとっては「支援の方向性を見失わないための道しるべ」
だからこそ、丁寧に、柔軟に、そして実践的に。
一緒に計画を作り、一緒に支援を積み上げていく姿勢が、何よりも大切です。
項目 | 確認ポイント |
---|---|
本人の意向が反映されているか | 面談で共有・納得を得ているか |
目標は具体的・測定可能か | 短期目標は数値化・行動化されているか |
支援内容は現実的か | 提供できる資源・訓練内容と合っているか |
定期的に見直しされているか | モニタリング記録は計画に活かされているか |
関係者間で共有されているか | 支援会議や連携先に説明できる内容か |
皆さんこんにちは!
株式会社RELIFE、更新担当の中西です。
さて今回は
~アセスメント~
ということで、就労支援におけるアセスメントの意味・目的・手法・活用方法について、支援現場での実例を交えながら深く解説していきます。
本人理解から始まる「働く力」のサポート設計
就労支援の現場で最も大切なことは、支援を必要とする人一人ひとりの“働く力”を正しく理解することです。
そしてその出発点となるのがアセスメント(Assessment:評価・見立て)。
「どんな支援をすればいいか?」を決めるためには、
「その人は今、何ができて、何が苦手で、どんなことに意欲があるのか?」という情報が必要不可欠です。
アセスメントとは、対象者の状況・特性・課題・強みを客観的に把握し、支援計画の立案につなげるプロセスのことです。
本人の能力やスキルの現在地を知る
職業適性や働き方の希望を把握する
生活課題・健康状態・対人関係など、就労に影響する要素を明確化
支援内容や就労目標を、本人と共有・合意形成する
📌 つまりアセスメントとは、「就労支援のスタート地点を正確に地図に描く」作業だと言えます。
障がいや疾病による特性、過去の職歴、現在の生活状況を踏まえて、 → 無理のない「就労スモールステップ」を設定可能に
「できること」と「やりたいこと」を混同すると、早期離職や自信喪失の原因に → アセスメントで現実的な可能性を冷静に見極めることが重要
チーム支援の場合、アセスメント情報が「共通言語」となる → 福祉・医療・職業訓練・家族支援など多職種連携がスムーズに
自分の強みや適性を知ることで、自己理解が深まり、意欲が高まる → 「就職したい気持ち」を「できそうな感覚」へと導く
アセスメントで得た課題や配慮事項は、職場での支援にも活用可能 → 就職後の職場理解やサポート設計に役立つ
アセスメントには「面談」「観察」「記録」「検査」など複数の方法があります。
複数を組み合わせて行うことで、より立体的な理解が可能になります。
職歴、成功体験、苦手な作業、人間関係、希望職種などをヒアリング
傾聴+質問技法が重要(「なぜ?」より「どう感じましたか?」)
実際に軽作業・PC操作・事務タスクなどを行ってもらい、観察する
注意力、集中持続、スピード、正確性、指示理解などを評価
集団活動や訓練時の様子から、対人関係やストレス耐性を把握
無言のサイン(表情・姿勢・疲労感)にも注目
ツール名 | 特徴 |
---|---|
WAIS-IV、WISCなど | 認知能力・処理速度などの知能検査 |
VRT(職業興味検査) | 興味の方向性を把握(6領域) |
SSTチェックリスト | 対人スキルの強みと課題を明確化 |
職業準備性ピラミッド | 働くための要素を5段階で整理 |
📌 検査ツールの結果は“その人を決めつけるものではない”という視点が重要です。
アセスメントで得た情報は、支援計画(個別支援計画書/就労プログラム設計)の軸になります。
アセスメント結果 | 支援内容の設計例 |
---|---|
疲れやすく集中が続かない | 作業時間を短く・休憩を多めに設定 |
手先が器用・細かい作業が得意 | 軽作業・検品業務などへ誘導 |
コミュニケーションに不安あり | SST(ソーシャルスキルトレーニング)を導入 |
職場体験で緊張が強かった | スモールステップの実習から開始 |
📌 支援計画は「アセスメント→仮説→実践→再評価」のサイクルで改善していくことが重要です。
就労支援とは、“働く”という人生の大きな一歩をサポートする仕事。
その責任の重さと真剣さに応えるためには、一人ひとりを正確に理解する努力が必要です。
アセスメントはその第一歩であり、
支援の方向性を定め、本人の可能性を信じて伴走するための「道しるべ」となります。
項目 | 確認すべき視点 |
---|---|
身体・精神状態 | 疾患・服薬・疲労感・通院状況 |
認知・スキル | 作業能力、集中力、学習スタイル |
生活状況 | 通勤手段、生活リズム、金銭管理 |
意欲・希望 | 働きたい理由、希望職種、働くイメージ |
人間関係 | 家族との関係、支援者との信頼感 |