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オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2025年6月

第14回就労支援雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社RELIFE、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~喜び~

 

就労支援の現場には、毎日たくさんのドラマがあります。履歴書を初めて書けたとき、面接で笑顔が見えたとき、そして「働けました」と報告をもらったとき
それらの一つひとつが、支援者にとっても深い“喜び”とやりがいとなります。

ここでは、就労支援事業におけるさまざまな喜びを、現場目線でご紹介します。


1. 「できない」が「できた」に変わる瞬間

利用者の中には、長年引きこもっていた方、障害によって働くことをあきらめていた方も少なくありません。
そんな方が、初めて作業に参加し、初めて「自分の力で誰かの役に立った」と実感する。

そのときの「うれしい」という笑顔――それは、支援者にとっても胸を打つ瞬間です。
“人の成長を目の前で見られる”という仕事は、他にそう多くありません。


2. 小さな目標を一緒に達成するよろこび

就労支援では、「いきなり正社員」は目標ではありません。
むしろ、「朝10時に来る」「3日連続で作業を続ける」など、小さな達成の積み重ねが大切です。

その小さな「できた!」を一緒に喜ぶことで、利用者は自己肯定感を少しずつ回復します。
支援者自身も、「一緒に歩んでいる」という実感が喜びとなるのです。


3. 家族や地域の笑顔につながる

ある利用者が「ありがとう、息子が笑顔で帰ってきました」と保護者から言われたとき、
その支援者は涙をこらえながらこう思ったそうです
「就労支援って、本人だけじゃなく家族や地域も元気にできるんだ」と。

「働く」は、単にお金を得る手段ではなく、“つながりを取り戻す”手段でもあるのです。


4. 社会への貢献を実感できる

企業と連携し、利用者が職場に溶け込んでいく姿を見ると、
「この人がいることで会社が少し明るくなった」
「支援の仕組みが社会の一部になっている」と感じられます。

支援者自身が、「社会を支える一員」としての誇りを持てる
これこそが、就労支援事業が長く続く理由かもしれません。


就労支援の仕事は、日々の苦労もあります。
でもその先にあるのは、「人の可能性を信じて支える」ことで得られる、かけがえのない喜びです。

誰かの「働きたい」という願いに寄り添い、「働けた」という希望に変えていく。
それは、誰かの人生を少しずつ、でも確実に変えていく尊い仕事です。

 

 

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第13回就労支援雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社RELIFE、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~必要な支援を受けるために~

 

就労支援事業は、ただ「職を紹介する」だけの取り組みではありません。利用者一人ひとりの状況や背景に応じて、“働くまでの道のり”と“働き続ける力”を支える総合的な支援が求められます。ここでは、支援に必要な本質的な要素を体系的に解説します。


1. 利用者理解と信頼関係の構築

● 必要な理由

  • 支援対象者の多くは、過去の失敗や孤独な経験を抱えており、「人を信じること」に慎重になっている

  • 表面的な面談や就労訓練だけでは本質的な変化に結びつかない

● 実践例

  • 毎朝の声かけや日誌の共有を通じた“心の見守り”

  • 成功体験の積み重ねで「できた!」の自信を育てる

  • 担当職員の継続性と温かさが“安心できる場”を生む


2. 柔軟な就労環境の整備

● 必要な理由

  • 一律の勤務形態や評価制度では、多様な事情を抱える利用者に合わない

  • スモールステップを用意することで、負担を減らし継続を可能にする

● 実践例

  • 「週1回2時間勤務からスタート」「昼食づくりだけを担当」など段階的な就労

  • 作業内容の選択肢を複数用意(軽作業、事務補助、屋外作業など)

  • 遅刻や中断があっても「責めない」雰囲気


3. 生活支援との連携

● 必要な理由

  • 生活の不安(住まい・金銭・健康)があると、仕事への集中が難しくなる

  • 就労支援と生活支援を分断すると「働けても暮らせない」状況が続く

● 実践例

  • 自治体・社協・保健師・医療機関との連携体制を整える

  • 「食事支援」や「通院同行」など非就労領域のサポートも視野に

  • 生活保護や住宅確保給付金などの制度活用支援


4. 定着支援とアフターケア

● 必要な理由

  • 就職できても、最初の3ヶ月〜半年で辞めてしまうケースが多い

  • 小さなストレスが積み重なる前に介入することが重要

● 実践例

  • 就職後の定期面談(月1回〜2回)とメール・電話フォロー

  • 企業との連携(職場定着支援員の配置や相談窓口の設置)

  • 利用者が困った時に「戻れる居場所」を確保


5. スタッフの専門性とチーム力

● 必要な理由

  • 支援者自身が「支援の対象」を深く理解し、柔軟に対応する力が不可欠

  • 一人のスタッフがすべてを抱えるのではなく、多職種連携が成果を高める

● 実践例

  • キャリアコンサルタント、精神保健福祉士、社会福祉士などの資格者配置

  • 定期的な事例検討会やメンタルサポート体制

  • チーム内で「困りごとの共有」と「支援方針の統一」を行う


就労支援に必要なのは、「すぐに働かせる力」ではなく「一緒に歩む力」です。目の前の利用者が、心から「働きたい」と思えるまで、寄り添い、支え、導くことが私たちの役割です。

制度やマニュアルに頼るだけでは届かない“人の可能性”を信じる支援こそ、社会をより豊かにする第一歩です。

 

 

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